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vol.7 大流行の「風疹」とは?

2018年11月30日 産業医コラム

大流行の「風疹」とは? イメージ

風疹とは、発熱・発疹・リンパ節腫脹を3大症状とするウイルス感染症です。基本的に予後良好な疾患ですが、まれに重篤な合併症を併発することもあります。また、妊娠初期の妊婦への感染は出生児が先天性風疹症候群となる危険性が高いことから、ワクチンによる予防が重要です。

風疹の症状は幅広い

風疹は感染から2~3週間の潜伏期間の後発症しますが、感染しても発症しない不顕性感染から、重篤な合併症を併発する例まで症状は幅広く、また、3大症状も常に出現するわけではないので、臨床症状のみから診断するのは困難な疾患です。血小板減少性紫斑病(1/3,000~5,000人)、急性脳症(1/4,000~6,000人)などを合併し重篤化することもあります。

感染者の年齢性別は?

以前はほぼ5年毎に流行していましたが、1994年以降の大流行はありませんでした。しかし、2012年から2013年にかけては約16,000名が感染する全国的な大流行となりました。その内約90%が成人で、この流行によって45名の新生児が先天性風疹症候群と診断されました。
その後は年間100~300名程度で推移していましたが、今年になり各メディアでも取り上げられている通り、再び増加に転じています。11月14日現在の風疹患者累積報告数は2032名であり、2013年に次いで2番目に多くなっています。このうち96%が成人で、男性が女性の4.4倍多くなっています。特に30~40代の男性に多く、女性では妊娠出産年齢である20~30代に多いのが特徴的です。

なぜ流行している?

風疹はワクチンで予防できる病気です。日本では、風疹ワクチン定期接種の対象が一時期中学生の女子のみだったり、学校での集団接種から保護者同伴で医療機関を受診して受ける個別接種に変わったりしたことで、風疹の抗体を持たない成人(特に男性)が多く存在するため、今年のような流行が起こってしまいます。

風疹最大の問題

そして、風疹の最大の問題は、胎児が罹患する先天性風疹症候群です。妊娠20週頃まで(特に初期)の妊婦が風疹に感染すると、難聴・白内障・心臓の異常・精神や身体の発達遅滞などの障害を持った新生児が生まれる可能性があります。これを先天性風疹症候群とよびますが、事前にワクチンによる予防接種を受けることで防止できます。(妊娠中は予防接種を受けることができません)

予防接種が重要

予防接種は女性だけでなく、男性も受ける必要があります。妊娠中の配偶者がいる人はもちろんですが、職場の同僚などにうつすことで間接的に妊婦にうつってしまうこともあるので、予防接種を受けていない人や受けたかどうかはっきりしない人は、できるだけ早くワクチン接種を受けることが重要です。多くの人が予防接種を受ければ、個人が守られるだけでなく周りの人にうつすことが少なくなり、社会全体が風疹から守られることにもなりますので、積極的に予防接種を受けるようにしましょう。

参考資料
国立感染症研究所 感染症疫学センター『風疹流行に関する緊急情報:2018年11月14日現在』
国立感染症研究所 感染症疫学センター『風疹Q&A(2018年1月30日改訂版)』
国立感染症研究所 感染症疫学センター『風疹とは』

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