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vol.2 熱中症予防のために

2018年7月26日 産業医コラム

夏の日差し イメージ

今年は梅雨明けが早く、明けた直後から夏の陽射しが照りつけ、猛暑が続いています。メディアでは連日熱中症関連の報道がなされ、注意喚起されておりますが、救急搬送され死亡する患者が後を絶ちません。
厚労省の統計を見ると、平成22年に年間1731名の死亡が記録されており、その後も毎年500名~1000名の方々が命を落としています。死亡者の年齢構成を見ると、65歳以上の高齢者が約80%を占めており、いずれの年齢層でも発生場所がはっきりしている中では住居での死亡例が最も多くなっています。けっして猛暑炎天下で死亡する割合が多いわけではありません。高温多湿の室内で、適切な空調管理をせず、水分補給も十分に取っていない高齢者が多く亡くなっているのが現状です。

熱中症とは?

そもそも熱中症とは、高温多湿な環境の下で体液が失われ、脱水・電解質の崩れなどから身体の調節機能が働かなくなるために起こる障害の総称です。
めまい・立ちくらみ・手足の痺れ・こむら返り、頭痛・吐気・倦怠感などの症状が見られ、重症化すると意識消失・痙攣などの症状が認められ、最悪の場合死に至ります。

熱中症の症状が出たら

熱中症が疑われる人がいたら、まず涼しい場所に移し、安静を保ち、水分だけでなく塩分・ミネラルも同時に補給させる必要があります。利尿作用のあるカフェインを含むコーヒー・緑茶などは避け、スポーツドリンクなどを飲ませるようにしましょう。
また、意識障害が認められる、自分で水分がとれないなどの重症が疑われる場合には、ためらわず迅速に医療機関を受診してください。

熱中症は予防が可能

熱中症は予防することが大切で、言い換えれば、予防できる病態です。
・いつでも水分塩分を取れるよう、外出時には塩分を含む飲み物を持ち歩き、帽子・日傘を用いて直射日光を避ける。
・睡眠を十分に取り、バランスの取れた食事を心掛け、体調管理に留意する。
・室内では過度な節電は避け、適切な温度湿度を保ち、のどの渇きを感じなくても水分塩分をこまめに補給する。
こういったことを意識して気をつけていれば、あらかじめ予防することが可能です。

職場での熱中症対策

では職場における熱中症対策はどうでしょうか。
職場では熱中症で死亡する労働者が毎年全国で10名以上にのぼり、4日以上仕事を休む人は400名を超えているため、職場での熱中症対策もとても重要な課題です。

厚労省では『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』を展開し、職場での熱中症予防の進め方を示しています。
まず4月を準備期間として、暑さ指数(WBGT値)把握のための機器の設置、作業場所・休憩場所の環境管理、管理者選任などの体制整備、従業員の熱中症予防に対する教育などを行います。
5月以降のキャンペーン期間には、暑さ指数(WBGT値)を測定し低減させる工夫をし、高いときには作業を中止し、こまめに休憩を取ることを推奨しています。暑さに慣れるまでの順化期間を設け、休憩を取りながら1週間程度かけて身体を慣らしていくことも大切です。高血圧・糖尿病・心疾患など基礎疾患を持つ従業員は熱中症にかかりやすいため、特に注意が必要です。

職場においては管理者は勿論ですが、従業員同士もお互いの体調を気遣い、熱中症の発症および重症化を防ぐため、事業所単位で熱中症対策に取り組むようにしましょう。

参考資料
厚生労働省大臣官房統計情報部『平成27年我が国の人口動態 -平成25年までの動向-』(平成27年2月25日発行)
厚生労働省労働基準局・都道府県労働局・労働基準監督署『熱中症を防ごう!』パンフレット
厚生労働省『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』リーフレット(平成30年度版)

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